「マトリックス型モデルによるテキストエディターと作文過程の可視化」と題して、教育工学会(JSET)の全国大会の課題研究K01 システム開発・新技術の利用:学びを拡げる情報環境で発表してきました。
Q&A
Q1 表の行や列の見出しテキストはログに含まれるのか?どんな見出しのついた欄に記入したのか分かるのか?それが分かれば、意味的に突っ込んだ分析ができるが。
A1 ログには含まれない。
質問の趣旨には同感。それを実現する手段は2つ。
(1) テンプレートから文章を作成した場合、元のテンプレートの見出しテキストは分かる。見出しのidは変わらないので、追跡できる。(スライドv1.1の#17〜#21)。
(2) 「文章を提出してもらう」という実験にすれば、テキストが分かる。また、クラウドストレージがDropboxなら、更新のたびに古い版のデータを残しているので、編集途中のテキストも分かる。
Q2 レポートをコピペして作ったかどうか検出できるようになるか?
A2 現時点で技術的にできるかもしれないが、できてもやるつもりはない。Web技術の動向としては、できなくする方向にあると思う。それは、コピー元のWebページのURLを、こっそり記録して欲しいということですよね。
A2補足
会場でも、今でもうまく説明できないのですが、「ユーザーの意に反してこっそり、コピー元情報の所在(URL)を、コピー先データに含ませる」ことができてしまうのは、セキュリティの観点からマズいと思います。HTML5のクリップボード操作の仕様「Clipboard API and events」で、「8.1 Security risks」あたりに書かれた懸念は、そのことを含んでるのではないでしょうか。
また、そもそも、誰のログなのかは分からないようになっています。
あとがき
次のような取り組み・提言は、ひょっとしたら同じ方向にあるのかもしれません:
- 変革的な「形成的」評価の提案―個人個人の学習過程を評価して,次の授業展開につなげる評価はいかにして可能か
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スライド#40「教室のICT基盤に期待したいこと」、#41「学びの個人履修の国際比較」
三宅なほみ
- インタビュー:IBM 東京基礎研 森本所長,ジンガジャパン 松原社長 インタビューby 近山,喜連川:「ビッグデータが何をイネーブルするか? その本質を議論しよう.」
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pp.62 - 63の松原健二さんの発言。
情報処理学会デジタルプラクティス Vol. 4、No. 1、 January 2013
物理的な行動センシングがハードウェアを外付けにする仕組みになりがちなのは仕方ないところと思います。しかし、デジタル&オンラインアプリケーションならば、アプリケーションに元から組み込んだ仕組みで行動センシングできます。また、そのときには、ユーザーのあらゆる行動を記録できるよね…というトレンドになるんだろうと思います。
可視化した視点を共有する話は、11月の情報処理学会デジタルドキュメント研究会(DD研)で。
コメント
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