超時空要塞マクロスでは、今年…いや、もう去年 (^^ゞ 2009年は、人類が第一次星間大戦に巻き込まれた年でした。これを描いた映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の主題歌「愛・おぼえていますか」を作曲されたのが加藤和彦さんでした。
Wikipediaからたどると、こんなエピソードにたどり着きます:
「愛おぼえていますか」は、クライマックスで流れるあの主題歌がすべてです。テレビの27話「愛は流れる」をベースに、歌で戦争を終わらせるというアイデアをふくらませて、既にイメージしていたシーンのアイデアを作曲サイドに伝えて、間奏の長さまで指定して作ってもらった。完成した曲を聴いて、「ああ、この映画はこれで出来たな」と思ったのを覚えています。それで、このメロディーの時にはこのシーンを入れようと、曲のイメージから映像を作っていきました。
作曲サイドって作曲の加藤和彦さん、作詞の安井かずみさんですよね。これを知ったときに、わたしはこんな皮肉な感想を持ちました: 加藤和彦が、歌が戦争を終わらせるアニメなんかの曲を引き受けてくれたんだ、ありがたいことだ、と。うかつでした。
2008年2月15日にNHK総合のプレミアム10で再放送された「坂崎幸之助の一夜限りの音楽ライブ Vl.2 ~伝説を語る~」で、彼は出演者に囲まれて、にこやかな笑顔のまま、しかしこう語っていました:
聞いて感動するっていうには、いろんな要素があるわけじゃない?。そこから、その先に、たとえば、かっこいい言い方すると、生きる希望になったり、そういうこと与えてくれないと、つまんないじゃない?、どんないい曲でも。ノって終わっちゃうってこともあるかもしれない。でも、それが、ある種、人の生き方を変えるみたいな曲だと思う。そういうことが、音楽で出来るのが嬉しいし。シャクなことに、60年代、70年代には、もっと音楽は力を持っていた。今の音楽、力ない。
NHK「坂崎幸之助の一夜限りの音楽ライブ Vl.2 ~伝説を語る~」、
2008年2月15日 NHK総合のプレミアム10にて放送
そして、今年10月16日、加藤和彦さん自殺の報。遺書には次のように記されていたと、後に報じられました。
これまでに自分は数多くの音楽作品を残してきた。だが、今の世の中には本当に音楽が必要なのだろうか。
「あ、しまった。」
上に引用した彼のエピソード、その真偽はわたしには分かりません。ことの真偽よりも、とらえ方。加藤和彦さんだからこそ、監督の河森正治さんは歌で戦争を終わらせる映画の主題歌を依頼したのかも。歌で戦争を終わらせる映画だからこそ、彼は引き受けたのかも。そうかもしれないと思う、心の構えといいますか。
なぜならば!(ノノ風に)
なぜならば(ラルク風に)
歌が戦争を終わらせるなら、そのとき、そのことばを綴る役に立ちたい。ことばがそのようなチカラを持つ、それが可能と信じるチャレンジャーたちの一人なんだもの、わたしは。
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