渋谷駅、JR中央改札を出て、銀座線の乗車専用改札へまわる途中、いっつも気になる小栗旬さんのドアップで「その男、多襄丸。」。映画「TAJOMARU」のポスターなのです。
- 映画「TAJOMARU」公開
- 公開日:2009年9月19日(土)
- 芥川龍之介の短編「藪の中」を原作に、盗人の多襄丸を主人公にしたオリジナル作品。主人公・多襄丸を小栗旬、ヒロイン・阿古を柴本幸、他。
Googleカレンダーに取り込める公開日データ(iCalendar形式) » tajomaru_movie.ics
おぉ、石田三成クンではありませんか!「天地人」と違って熱い役柄の様子。でもって、多襄丸に手をかけられるヒロインが、「風林火山」の由布姫、柴本幸さんではありませんか!そうなのか、あの視線、あのセリフを由布姫が:
多襄丸の白状
…殊にその一瞬間の、燃えるような瞳を見ないからです。わたしは女と眼を合せた時、たとい神鳴に打ち殺されても、この女を妻にしたいと思いました。…
巫女の口を借りたる死霊の物語
…盗人にこう云われると、妻はうっとりと顔を擡げた。おれはまだあの時ほど、美しい妻を見た事がない。…
…しかし妻は夢のように、盗人に手をとられながら、藪の外へ行こうとすると、たちまち顔色を失ったなり、杉の根のおれを指さした。「あの人を殺して下さい。わたしはあの人が生きていては、あなたと一しょにはいられません。」――妻は気が狂ったように、何度もこう叫び立てた。…
「藪の中」に対応づけると、その場面はこういう構図らしい:
藪の中 | TAJOMARU | ||
---|---|---|---|
多襄丸、盗人 |
多襄丸、大盗賊 |
松方弘樹 | |
真砂、妻 |
阿古、大納言家の姫 |
柴本幸 | |
武弘、夫 |
畠山直光、次期管領職の畠山家の次男 |
小栗旬 |
あれれ?ではなぜ、小栗旬のド・アップで「その男、多襄丸。」?…それは見てのお楽しみ。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
映画「TAJOMARU」が、なぜ気になるか?
それは、この2年間ほど、「藪の中」を題材にして、新しい読み書きツール、次世代ワープロ、主観的に時間を扱うツールに取り組んできたからです。
これらは、読み解くことから入って、創造的に書くことを目標とするツールです。
映画「劔岳 点の記」では、初登頂の日付けやメンバーについて、原作と異なると指摘する記事があります。確かに異なる。ただ、原作の内容や、後の世も含めた関係者の意を汲んで、柴崎芳太郎たち測量手や新田次郎をリスペクトする内容だったと思います。
映画「TAJOMARU」、楽しみです。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。